石川県立能登高校で講演してきました。4年連続で講演していることになっていますが、昨年、一昨年はコロナでオンラインだったため、訪問は3年ぶりです。訪問しないとわからないことが沢山あります。
https://www.ishikawa-c.ed.jp/~notoxh/index.html
1.ちょっと信じがたい合格実績
①自治医大医学部(統合開校13年目で医学部合格は初)
②金沢大学理工学域(一般選抜)
③早稲田大学
医学部合格の女子は運動部の部長もやりながらという驚きの実績です。金沢大に一般で行く力がある生徒が飯田高校や七尾高校に流出しなかったのも驚きで、早稲田はどんなルートで合格したかは分かりませんでしたが、僻地の公立校には眠れる高学力層がおり、先生が支援すればこのように結果が出ることがわかりました。
2.地元に高卒で残る生徒の「ハブ空港」としての重要性
地元の役場や病院、企業に就職して地域に残る生徒の重要性について考えさせられました。大学・短大・専門学校進学者は全員町を出ていき、金沢まで特急バスで2時間45分もかかる町に残って就職する若者はほんのわずかですが、この人たちは極めて重要ではないかと。
←偉い 進学>金沢で就職>能登町で就職 偉くない→
みたいなヒエラルキーというか空気感って、どの地方でも自然に生まれると思うのですが、医学部や金沢大や早稲田に行って、あるいは金沢の大学や専門学校や企業に行って「根無し草」になった同級生たちは、盆や正月に「観光客」として帰省するだけの存在になってしまいます。これを、地元に就職した同級生が「ハブ空港」のようにオンラインで日常的に交流し、帰省した際には地域の活動に流出組を深くコミットさせることで、
定住人口(地元民)←→関係人口(帰省者)←→交流人口(観光客)
の「関係人口」として、出ていった同級生の心をしっかり能登町につなぎ留めておく役割を果たせるのではないかと。私自身、中津川市の交流人口にすぎない存在として、地方自治体は関係人口の創出にもっと努力すべきであり、地元に残った同級生はそのハブ空港として極めて重要な存在なのではないかと思いました。どこもこれに成功しているとは言えません。